初めての野球観戦で、タイガースの面白さを教えてくれた彼 東京

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投稿者の名前めろでぃ

年齢25 歳

ナンパされた場所東京東京ドーム

恋人の有無彼氏は居なかった

ファッション/系統キャリアスーツ系

ナンパされた男性の系統サラリーマン風

タイガースファンが集まる居酒屋に行って飲まへん?

野球にあまり関心のなかった私が、仲の良い同僚に誘われて東京ドームにプロ野球を観戦しに行ったのは、入社3年目の六月初めでした。JR中央線水道橋駅に到着すると、大勢の人が一斉にホームに降り立ちました。下り階段は、改札口へ向かう人々で混み合っています。ジャイアンツのユニフォーム姿の人が目立つ中、後ろの方から「六甲おろし」を合唱する声が構内に響き渡っています。いやがうえにも気分が盛り上がってきました。人混みの間から、ドームの白い大きな屋根が見えてきました。人口の回転ドアに向かう人々のどの顔にも、何かを期待しているような表情が見て取れます。兵庫県出身の同僚はもちろん大のタイガースファンで、その日もタイガースファンで埋め尽くされたレフトスタンドに向かいました。

試合が始まると、ピッチャーがキャッチャーのミット目がけて投げ込む度に、大歓声が湧き上がりました。隣に座る同僚も完全に応援モードにスイッチを切り替えたようで、仕事場で接する彼女とは正反対の大声でキャーキャー騒いでいます。5回が終了し、オレンジ色のコスチュームに身を包んだチアガール達が軽快な音楽に乗って踊り始めた時、同僚とは反対隣に座っていた30代前半の男性が声を掛けてきました。熱烈なタイガースファンらしく、ユニフォームを羽織っています。明らかに関西出身だと分る大阪弁で、色々なことを喋ってきます。「ドームには、よく来るぅ?」「タイガースファンちがう?」「もう、メシ食うたん?」「生まれ、どこぉ?」「彼氏、おるん?」「もし良かったら、オレと付き合わへん?」

速射砲のような喋り方に圧倒されながらも、東京の男性には感じない面白さを彼の中に感じ初め、私も彼と一緒に大声を張り上げてタイガースを応援しました。試合が終了する頃には、何年も前から知り合いのように冗談も飛ばし合っていました。
「これから、タイガースファンが集まる居酒屋に行って飲まへん?」
すっかり意気投合していた私たちは、なんの躊躇もなく彼の案内でその居酒屋に向かいました。



konpa

青春時代にナンパされて

数珠つなぎになった人の波が水道橋駅方面に続いています。外堀通りを横切り、後楽橋を渡って、神保町に続く通りを進んでいくと、どこからともなく「六甲おろし」が響いてきました。軒先に赤ちょうちんがぶら下がった店の前で、沢山の人がガヤガヤ騒いでいます。通りに面した雑居ビル一階にあるその店こそ、これから私たちが向かう居酒屋でした。店の前にできた人垣を縫って店内に入ると、縦縞のユニフォームを着た人たちで溢れ返っていました。ドーム以上の熱気でムンムンしています。大将に何かを耳打ちしながら、彼は私たち二人をカウンターの中央に座らせてくれました。常連客の一人のようで、店内にいたほとんど全ての人たちとハイタッチして廻っています。

何も注文していないのに、どんどん食べ物が運ばれてきました。大将が大阪出身の人らしく、お好み焼きやたこ焼きは絶品でした。相好を崩した時に見せる彼の人懐っこい笑顔が、さらにその場の雰囲気を盛り上げてくれます。何杯目のチュウーハイを飲んだでしょうか。時計の針は、午後11時三十分を過ぎていました。明日の仕事もあるので、そろそろお暇することを告げると、突然彼が立ちあがり、こう大声で叫んだのでした。「今夜初めてドームに来られ、我々タイガースを応援してくれた○○さ〜ん、バンザ〜イ!バンザ〜イ!」顔から火が出るほど恥かしかったのですが、内心は彼の気遣いに感激していました。

水道橋駅まで送ってくれた彼は、別れ際にも再び叫びました。
「○○さん、今日はありがとうございました。又、是非とも一緒にタイガースを応援しましょう!ご連絡待っていま〜す!」

その後、数カ月間付き合いましたが、彼の大阪転勤で関係は自然消滅してしまいました。しかし、青春時代にナンパされて付いて行った中で一番楽しい想い出として、今でも私の脳裏に焼きついています。

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